子どもを認めること、叱ること

現在、日本シュタイナー幼児教育協会代表理事をされている松浦園さんの講演録「子どもを認めること、叱ること」が2013年7月20日に発行されています。この講演録を最近読んだのですが、幼児教育で今一番心すべきことが書かれていたので、一人でも多くの人に知っていただきたいと思い、この講演録を取り上げました。

1)「褒める」よりも「認める」ことの大切さ

  「褒める」と子どもは褒められたいと思い、親の意向に合わせようとします。これは、自分の意志よりも親の意志に従おうとするということになりますので、子ども自身の意志の育成にはよくないということになります。「認める」と、子どもは自分自身を認められたことになり、自分が認められたと自信を持てることになり、意志が強くなるというのです。

 自分の価値観と違っていたとしてもまずは相手のしたこと、言ったことをひとまず認めてあげるという姿勢が大切で、「褒める」ことはしないほうが、幼稚園児の意志の発達にとってはより良い対応であるというのです。「相手(子ども)の自我を優先にして大事にするのが<認める>こと」(10~11頁)なので、本人の意志の力を削ぐことにはならないというわけです。

2)「叱る」時に気をつけること

 園児が、別の園児を蹴った場合どうするかということについて、松浦さんは、「その子どもがやってしまった『行い』に対してのみ『これはいけないよ』と言ってほしいと思います。『お友達を蹴っていけない子だね』というように、その子の人格、存在を否定する叱り方は決してしないでください。どんなことにも、その子にとってそれをやる意味、その行為が出てきた意味や状況があるはずなので、その行いでその子の存在を否定してはいけないのです。」(13頁)と語られています。3歳で第一の自我の目覚めが起こるのですから、幼児といえども、その子の人格、存在を尊重することが大切だということなのでしょうね。

3)保育に携わる人は、自分の人生哲学が必要

 ここで人生哲学という言葉で言い表そうとされているのは、「『自分がどう生きていきたいか』『自分がどういうことを大事にして日々を暮らしていきたいか』『自分がどう人と関わっていきたいか』ということです。みなさんの中には誰でも必ずそれがあるはずです。そして子どもを叱るというときには、みなさんのそういった『どう生きていきたいか、何を大事にしていきたいか』ということが全部出てくるんです。」という表現に示された内容なのです。

4)保育に携わる人は、自分の思考・感情・意志を意識化して働かせることが必要

 思考のレベルでは、落ち着いて状況を把握する。感情のレベルでは、暖かさを伝える。意志のレベルでは、揺るがないことが大切だと、指摘がされています。子どもに接する大人の方は、思考・感情・意志をいい方向へと向けていく努力が必要であるということですね。落ち着いた冷静な子どもの意志の読み取り、と暖かい眼差しによる働きかけ、揺るぎない態度の三つを意識するといい保育ができるというのですね。

幼児の子育てに携わっている方々の参考になればと思い、ご紹介しました。(文責今井重孝)

講演者の松浦 園さんの経歴

フォロー20年間私立幼稚園に勤めた後、 1997年に渡米。 カルフォルニア州サクラメントのルドルフ・シュタイナーカレッジでシュタイナー幼児教育を学ぶ。2000年春より19年間、東京都三鷹市にある「キンダーガルテンなのはな園」の主任教師を務めた。 日本シュタイナー幼児教育協会 代表理事。

 

 1)「褒める」ではなく「認める」ことが大切であると主張されているこ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です