シュタイナー教育

■教育における「個性」とは

教育政策においても個性の重視は言われていますが、この場合にいわれている個性は、社会に出たときの役割、仕事への適正という意味合いが強く、あくまで、社会中心に考えられた個性なのです。それに対して、シュタイナー教育等教育学で強調されている個性というのは、「みんなちがってみんないい」という金子みすゞの言葉にあるのと同じ意味で、子どもの一人ひとりは、かけがえのない個性を持ち、この個性を伸ばすことが教育の役割であると考えられています。つまり、社会中心ではなく、子ども中心に考えられた個性なのです。

社会がよりよくなるためには、今の社会にない新しい要素を付け加える必要があります。このためには、適性の涵養では社会の現状維持にはなっても、社会をよりよくする力は生まれないのです。実は、社会の前進のためにこそ、子ども一人ひとりの個性の育成が大事なのです。

■世界の教育の潮流

現在、世界の教育では、激しい環境変化と経済競争の中で生き残るために、教育改革がなされています。中国、シンガポール、インド、ロシアなどでも国を挙げて、競争の中で生き残るための教育として、個性を活かすための教育や創造性を涵養するための教育の必要性が重視されています。創造性は、一人ひとりの個性が発揮されればされるほど、新しいものが生まれる可能性が高くなります。画一的な教育では、新しいものは生まれにくいからです。

こうした、一人ひとりの個性を伸ばし、創造性のある人間育成を、ほぼ100年前から実行していたのがシュタイナー教育なのです。シュタイナー教育の先見性は驚くほどです。

■日本の教育の現状

そのような世界の潮流の中で、日本の公教育でも、個性尊重を標榜していこうとしています。ただ、全体としてみると画一的な教育の側面がまだ根強く残っており、諸外国に比べて後塵を拝している部分が多いと言わざるをえません。

本来、イギリスの名言にあるように、「お金は出すが、口は出さない」という言葉があるように、教育に関しては、国は、お金は出すが、口は出さないというのがベストなのです。一人ひとりが持てる力を十全に発揮するためには、それぞれの子どもが、自分の意志・感情・思考に基づいて自分で判断するという自立性が不可欠です。自立的な人間を育てるには、教師自身が、自由に自律的に自分が優れているという教育を工夫し実践していくことが不可欠なのですから、教育は、教育の専門家、実践家に任せることが前提条件なのです。

■日本の教育における個性

日本の教育現場で使われている「個性」という言葉は、いわゆる基本的な枠組みありきの「適性」に近い状況です。会社組織などで求められているような「従順に言うことを聞くこと」が前提であり、「コミュニケーションがちゃんとできる」などの基本的条件があります。

このあるべき基本条件という考え方は、経済競争を前提とした立脚点から作られている諸外国の教育においても、多かれ少なかれ共通して見られる傾向です。

■シュタイナー教育でいう個性

一方、シュタイナー教育でいう個性は、持って生まれたその人にしかない部分のことを指します。それぞれ他の人とは違う部分を人は持っていて、その違いの部分が個性になる。

■本当は微妙に違う

同じことについての考え方ひとつとっても、本当は微妙にみんな違うんです。それを皆一緒におんなじ考え方をしようとか、同じようにしなきゃいけないとかすること自体がおかしい。そうすると今まであるものに合わせるとにしかならない。過去指向になる。これでは新しいものは出てきません。

■過去指向の個性

過去指向というのは、今ある、または、あったもの。こういう役割を果たせば、企業の中で上手くいくというやり方は今もあるが、これは変わっていくものです。会社の人事制度等も、今ある枠組みを使った目標管理制度という仕組みの限界が言われるようになってきています。

■生命的な教育~あらゆるものは生命的でなければならない~

目標そのものも進化しなければならないので、特定の目標を立てること自体が時代遅れな発想です。その間にフレキシブルに新しい目標が出てきて、進展していくような組織に会社もなっていかなくてはなりません。組織自身もそうだし、あらゆるものは、生命的でなければならないのです。生命を大事にしたり、生命的に物事を考える教育を受けると元気になるんです。活力が出てきます。

■今の大人の人たちも

それらの新しい目標は、既存の枠組みの中にある理屈からは出てきません。そして、大人もそれに自分で気づけないような教育を受けてしまっています。その自覚をして、本当の自分の仕事とは何かとか、そういうことを考えていると独創性が出てきて、生きがいも持てるようになります。

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